研究発表

公開件数: 4 件
No. 会議種別 タイトル 会議名 開催年月日 URL 概要
1 口頭発表(一般)
手話の読み取りに対する左半側空間無視の影響
第42回日本高次脳機能障害学会学術総会
2018/12/07
URL
本研究では、外傷性脳損傷により左半側空間無視を呈した日本手話話者一名を対象に、左半側空間無視が手話の単語と文の読み取りに影響を与えるかを検証した。単語の課題では、片手を見落とすと別の単語と間違え得る両手手話単語を使用し、半側の見落としによる単語理解の誤りがあるかを調べた。文では、被検者から見て左右どちらかの空間のみで表現される手話単語を含む文を提示し、その手話単語が答えとなる質問を行うことで見落としの有無を検証した。その結果、アメリカ手話話者の症例に基づく先行研究と同様、手話理解は概ね良好であった。しかしその一方で、少なくとも単語の読み取りでは左半側空間無視の影響を認めた。手話話者における左半側空間無視では、手話の読み取りへの影響の評価と適切な配慮が必要であることが示された。
2 口頭発表(一般)
Verb Agreement in Sign Languages and Beyond
The 5th Meeting of Signed and Spoken Language Linguistics
2016/09/25
URL
Verb agreement in sign languages has characteristics very different from those of syntactic agreement in spoken languages. Those characteristics can be shown to derive from an Optimality Theoretic system with a constraint against overt syllables and the lexicon with underspecification. The constraint is a realization of a universal tendency in natural language to reduce articulation efforts, and its high ranking in sign languages is due to the well-known fact that sign syllables take more time to articulate than syllables in spoken languages. The analysis predicts that in language acquisition, verb agreement should arise once children have become fluent in signing and capable of phonological computation based on universal constraints ranked appropriately for sign languages. It also predicts that the existence of children with such abilities is the necessary and sufficient conditions for emergence of verb agreement in newly-born sign languages. In fact, previous researches have shown that verb agreement arises from within children who have been exposed only to signs without agreement.
3 口頭発表(一般)
手話言語の動詞一致のメカニズム
日本言語学会第150回大会
2015/06/20
URL
世界の手話言語には、(主語と)目的語の指示対象に応じて手の向き・移動の方向が変わる動詞(一致動詞)が観察されることが知られており、様々な分析が提案されているが、いずれも以下の観察すべてを説明することはできていない。
A. どの手話言語にも一致現象が見られる。
B. 一部の動詞だけに一致が観察され、目的語が有生 animate である動詞に集中している。
C. 主語ではなく目的語と動詞が一致するのが一般的で義務的である。
D. 一致の表出形は、対応する代名詞の表出形と同じ位置・方向を使う。
本発表では、次の2つの要因を踏まえた最適性分析を提案し、A~D の原因を明らかにする。
1. 2つの項がともに有生名詞句である動詞は、項削除が起きると解釈に多義性が生じる。
2. 手話言語では同時に認識される音韻情報が多いため、音節数が多くなるほど文処理のもたらす短期記憶の負担増大が著しい。
4 シンポジウム・ワークショップ パネル(指名)
手話言語はagreeするか
慶應言語学コロキアム「理論言語学に基づき手話言語研究を概観する」
2004/03/25
URL
手話言語の一致現象について、音声言語のself-ascriptionが関わる現象や手話言語の非手指標識の重要性を手掛りに、認知的・音韻的・語用論的要因の関わる最適性理論による分析を示し、手話言語と音声言語の違いが両者に共通する文の表出形決定のメカニズムから導かれる可能性を示唆した。